天狗舞

アラフォーバツイチドラクエプレイヤーによるマラソン日記

【DQX】眠れる勇者と導きの盟友 外伝

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※この記事はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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鍛冶ハンマーを手にしなくなったのはいつ以来だろうか。

 

この世界はゴールドが支配している

 

 

と、考えられている。

 

かつての長い旅を経て、俺は本物の支配者を知ってしまった。それ以来、ゴールドなんかその日暮らせる分があればそれでよくなってしまった。

  

その昔、俺も国宝と言われる職人だった。

 

「イケる伝説」なる存在に心底憧れた時期が確かにあった。職人の頂点に君臨すれば女なんて抱き放題ってわけだ。

 

だが倉庫のプラチナハンマー★2はとっくに錆びついている。

 

倉庫が溢れたら、こいつを捨てるんだろう。その時きっと最後のプライドも捨てることになる。

 

いや、俺には既にプライドなんかないじゃないか。

 

 もう長いこと俺は相棒と2人で石と草を拾って生活している。暑い日も寒い日もだ。

 

俺の飛竜は綿花を拾うために存在していたし、俺の馬は目をつぶっていても石や草が落ちているところへ連れていってくれる。

 

それが終わればメギストリスへ赴き、配給の施しをうける。

 

S土地に簡素なベッドという家の中で、いつからか住み着いた場違いなコンシェルジュの相手をし、ペットの世話、畑の世話をしている。

 

最近は変なのが家に飛んできて二束三文でお使いをさせやがる。無視してもいつまでも家の前に立っていられるのが鬱陶しくなり、つい手伝ってしまう。それが今の俺だ。

 

こんな俺でも、石と草を換金しては装備を少しずつ買っているんだ。

 

勇者と共に魔王を倒したこともある。

 

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我らが勇者様は城住まいのお姫様だ。使用人や兵士が何人もいる。豪華な船でパーティを開ける大富豪だ。

 

そしていつも俺にパシリをやらせるくせに1Gも恵んでくれないケチなやろうだ。呼んだらすぐに飛んで来いとルーラストーンまで渡されている。

 

いけ好かない女だ。

だが、決して逆らってはいけない。

 

 

あいつは本物のバケモノだ。

 

 

こういうことがあった。旅をしているとき、厄介なモンスターと出くわした。そこで俺達は不覚をとった。勇者が魅了されたんだ。

 

俺は勇者を叩き起こそうとした。これでも旅をしている期間は長かった。敵が魅了に動いたら即座に対応できる自信があった。

 

だが、それは一瞬の出来事だった。凄まじく巨大な雷鳴が轟いた音がした。

 

あり得ない速度で会心の一撃を2発撃ちこまれたんだ。

 

俺だって魔王を倒したメンバの一人だ。他のメンツなんて意思を持たない操り人形みたいなやつらだった。俺がNo.2だったはずだ。その俺が瞬殺された。

 

なすすべもない。人の速度では無い。人の攻撃力では説明がつかない。間違いなく、あいつは一人で魔王を倒せたはずだ。

 

あの、地獄の釜の蓋が割れるような轟音は今でも俺の耳から消えない。

 

かつて魔王の手下がデコッパチやらまな板やらと戯言を口にした時のあいつの殺気は本物だった。魔王と対峙した時でさえ、あれほどの恐怖を感じなかった。恐らく俺が死ぬ覚悟で止めなければ、そのまま世界を滅ぼしただろう。

 

俺のために育てたはずだが、ペットのホイミンは必ず俺より先に勇者にバイキをかける。こいつは「そういうこと」をわかってるんだ。

 

本物の恐怖を植え付けられた俺は逆らえば命が無いことを知っているし、あいつも俺が逆らわないことを知っている。

 

そう、あいつは遊んでやがるのさ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そんな勇者が何者かにさらわれた。ばかな!

 

あいつなら間違いなく自力で脱出できるはずだ。なにせあいつは単騎で世界を滅ぼす力を持っている。そのまま鼻唄まじりに敵の軍団を蹂躙できるはずだ。

 

にもかかわらず・・・。

にもかかわらずだ。

 

あいつは俺に、「君、助けに来きてくれるよね?信じているからね?」と言いやがった。

 

なんてことだ。つまり、そういうことか。

 

俺は焦燥感に駆られ竜族の世界へ向かった。

 

早く行かなければ。

 

助けに行かなければ。

 

今度こそ俺の命は、無い・・・

 

To be continued ...

 

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